なんでそーなるのっ?

日本人が外国に移住して受けるカルチャーショックの定番、家の中でも土足。

というのは十数年前までの話で、近年は外国でも靴を脱ぐ家庭の方が多い。

それに代わって現在カルチャーショックあるあるになっているのは、人々の仕事に対する姿勢だと思う。

とにかくみんな仕事がテキトーなのだ。

 

日本だと、まず真面目に働くのが当たり前。

いくら真面目にやっていても人間なのでたまにミスをする。

ミスをしたら全力の「申し訳ございません」を繰り出した後、猛省。

また一生懸命仕事に励む。

みたいなサイクルなのだけれど、

外国だと、人々はまず真面目に働かない。

真面目にやっていないので頻繁にミスをする。

ミスをしても、人間がやっている以上ミスがあるのは当然なので謝らない。

もちろん反省もしないので同じミスが永久に繰り返される。

というようなサイクルになっている。

 

ニュージーランドに移住して早7年。

日々テキトーな人々に翻弄され、

年号が令和に変わってもなお「なんでそーなるのっ?」と欽ちゃんの声が脳内再生されまくる生活を送ってきた。

そんな中たどり着いた結論は、怒ったら負け、である。

 

 

今までにあったことを羅列するには時間がいくらあっても足りないので、

つい最近あった子供の医療費について少し書く。

ニュージーランドでは13歳までの子供の医療費は無料で、薬代も無料である。

数日前、生後7ヶ月の娘に保湿クリームを処方してもらったのだが、その翌日に電子メールで31ドルの請求書が届いたのだ。

 

この保湿クリームはシンプルな成分で作られており、どの薬局でも安価(5〜10ドル程度)で購入できる。

そのため我が家はずっと実費で購入していたのだが、ママ友の家に行くと必ずと言っていいほど同じクリームが置いてあり、みんなそのクリームを処方箋で無料で手に入れていると言っていたため今回処方箋を書いてもらったわけだ。

そうしたら31ドルも請求されてしまった。

10ドル以下で買えるクリームを処方してもらうのに31ドル払うなんてばかばかしい話があるだろうか。

そもそも子供への処方箋は無料のはずなのに。

 

早速夫が請求書のメールに返信した。

「これは7ヶ月の子供への処方箋ですが、31ドルという請求は合っていますか?」

するとすぐさま返事が届いた。

「31ドルではなく26ドルです。

 5日以内に支払いがない場合は遅延料金として5ドル掛かるので31ドルになります。

 なのですぐに26ドルだけ支払ってください。」

 

最初に5ドル多く請求していたことに対する謝罪はもちろんなく、

とにかく26ドル支払えという内容であった。

 

私はこの時点で26ドル支払おうと思った。

納得はいかないけれど、今までの経験上こういう事にイライラする時間の方が勿体無い。

さっさと金を払って水に流すのが得策だ、と。

 

しかし夫は「もう一度だけ抗議する。それでも払えと言われたら諦める」と言い、

「これはどう考えてもおかしいと思います」という内容のメールを攻撃的になりすぎない塩梅で作成し送信した。

すると1時間後に病院の事務責任者から電話がかかってきて、

「子供への処方箋なので無料でした。間違えてすみません」と言われたのだ。

 

結局無料で良かったし、謝ってくれたので気も晴れた。

しかしながら、

なんでそーなるのっ?

である。

 

最初にこちらが「7ヶ月の子供への処方箋ですが」と質問したのに対し、

すぐに「26ドル支払ってください」と返信が来たのはなんだったのか。

子供の医療費が完全無料のこの国の病院で働いている人が、一体何をどう間違えてそんなことを言ったのだろう。

 

結局無料だったのだからいいじゃないか、と思うかもしれないが、

最初の請求が来てから解決するまでの約2時間、私も夫も本当にイライラしたのだ。

納得できないお金を支払ってでも早く抜け出したいと思ったくらいイライラして過ごした時間はもう戻ってこない。

真面目に仕事をしない国民性のせいで・・・とまたイライラするのは時間の無駄でしかないので、

こういう時は「わあ!無料になってラッキー!」と大袈裟に喜ぶしかない。

「幸せはなるものではなく見つけるものだ」とよく言うが、この国に住んでいると幸せを強引に見つける力がぐんぐん育って良いのか悪いのか。